Hiroki

スリーパーのHirokiのレビュー・感想・評価

スリーパー(1973年製作の映画)
2.6
ウディ・アレンは基本好きなんだけど、これはあまり期待できないと思って観てなかった。
しかし今回テネット対策としてタイムトラベルモノをリストしてたら出てきたので鑑賞。
やはりこれは…駄作だ。
マーシャル・ブリックマンが共同脚本とは思えないな…

タイムトラベルというか2173年に200年の冷凍催眠処置から目覚めた男の話。
まー未来へのタイムトラベルと言えなくもない。
22世紀では撮影当時あまり体に良くないと言われている食品やタバコが健康に良いとされていたり、100年前に核戦争が起き荒廃して独裁国家が出来ていたりと面白くなりそうな設定っていうはあった。
しかし全体を通しては意味がわからない、矛盾が多すぎるシーンの連続。
なんか凄く観ていて疲れた。
そもそもインターネットもない時代に描いた未来に文句を言うのも違う事はわかっている。
さらにいうとこれはコメディ。
コメディに対して「意味が…」とか「矛盾点が…」とか言うのもまた違う。
それは十分わかってるんです。

ではこの映画の問題点は何か?
それはコメディなのに少しも笑えない所。
結局、『アニーホール』前までの初期ウディ・アレン作品は超劣化版のチャップリンでしかない。

「科学も政治も神も信じない。信じるのはセックスと死。」とラストカットで彼はダイアン・キートンに語る。(まーこの頃のウディ・アレンは異常にSEXとか愛とか言ってますからね…)
今作も彼の政治的・宗教的・文化的な思想もたびたび顔を出してくるが、それはきちんと笑いが取れて初めて輝くもの。
笑いの取れないコメディで主張しても、五月蝿い説教かただの自己満足にしかならない。

この初期ウディ・アレン作品のファンが少なからずいる事も知っているが、自分には全く合わない。
まーただそれだけの事なんですけど。
テネット対策で観たからか、偉くガックリきてしまって酷評してしまいました。
しかしさすがにテネット対策でウディ・アレンは無理筋か…

あとちなみに若き日のダイアン・キートンはとても麗しいです。


2020-108
Hiroki

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