kojikoji

見知らぬ乗客のkojikojiのレビュー・感想・評価

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
3.5
1951年 アメリカ作品
ヒッチコック37/53

結局、この映画の根底に流れるのは警察、司法に対する不信感なのだ。なぜ素直に警察に届けないのだろう。そうすれば、あの男から逃れられる。自分なら、きっとそうする。
 ところがふと思う。そんなふうに考えているのは、結局、ヒッチコックの術中にしっかりハマっている証なのだと。
 サスペンスは主人公になりきった時が一番面白い。いつのまにか主人公の立場に自分を置いている。殺人を迫る男に怯え、どうすればこの繋がりを断ち切り、恋人と結ばれることができるか、ひっしに考えている自分がいる。ヒッチコックのうまさだ。
だから、古さから不自然さが少しあっても、見終わればやっぱり面白いという感想になる。
kojikoji

kojikoji