チバレリアン

見知らぬ乗客のチバレリアンのネタバレレビュー・内容・結末

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

たまたま乗り合わせた男ブルーノ(ロバート・ウォーカー)から交換殺人を持ちかけられたテニス選手のガイ(ファーリー・グレンジャー)。同意はしなかったものの、ブルーノは先に殺人を実行してしまい、ガイにも殺人を迫ってくる…。

調べたら原作がパトリシア・ハイスミス。日常のふとした瞬間に、悪魔的な男が誘惑してくる展開は、ドラマ『ファーゴ』などを連想した。
ガイをストーカーしてくるブルーノがとにかく不気味で、ヒッチコックの演出が効いている。通りの向こうの暗がりや、離れたところにじっと佇んでこちらを見ている姿。試合を追う観客の中でひとりこちらを凝視する姿。不穏で時に超現実的なムードすら漂うのがたまらない。
一方で、ブルーノが過去の殺人をフラッシュバックする展開もあり、過去の罪が追いかけてくるという展開がヒッチコックっぽい気がした。
ガイの恋人の妹バーバラ役はヒッチコックの娘のパトリシアなんだ!
ガイがブルーノの屋敷に忍び込むシーンも、キャラクターが何をしでかすかわからないサスペンスも凄ければ、階段の上の犬など陰影が効いたビジュアルも印象的。
クライマックスは、まさかのド派手展開で高速回転するメリーゴーラウンド内での格闘。まさか本当に高速で回してるとは思わないが、度肝を抜かれる迫力だった。