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見知らぬ乗客のtomoのネタバレレビュー・内容・結末

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

電車で偶然居合わせた相手から交換殺人を持ちかけられるなんてぶっ飛んだ話だが、
話はブルーノの暴走で進んでいく。

ブルーノは完全犯罪を思いついたと言うが、実際は交換殺人を持ちかけた相手に会いに行くなど稚拙な行為ばかり、
それとは対称的にガイは冷静に犯行の証拠を押さえに行く。
そのギャップがよりブルーノをキチガイ野郎に仕立てあげてる。

終わってから思えば、序盤の靴だけのシーンもガイの行動を調べあげたブルーノのキチガイさが出ていた。
テニスでガイを見つめるシーンなどブルーノがいかに狂っているかの演出も面白い。
殺した相手と似ているだけで動揺するあたりの完全なサイコ野郎になれていない演出。
ヒッチコックはサイコとサイコもどきの境界線を知っているかの様だった。

ブルーノを精神病棟に入れようとする正気な父親と意味わかんない絵を描く母親。
そして突っ走って殺人を犯す息子。
明日にも起きそうな事件のリアルさが見たあともゾワッとさせる。
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