パトリシア・ハイスミス原作の元祖交換殺人もの。
原作はブルーノの狂気と執着、それに絡め取られていくガイの心理が丹念に描かれていく怖い(&気持ち悪い)話だったが映画版はそういう心理サスペンス的な部分はほとんどカット。原作よりガイ=被害者、善人という図式をはっきりさせて、ヒッチコックらしいサイコ・サスペンスに仕立て直している。
それでもある程度原作の要素を入れなければいけなかったからか、脚本のチャンドラーと喧嘩別れした影響かヒッチコックにしては強引な展開と言うかストーリーは大味。メガネに写る殺人シーンや小舟に影が迫るシーンなど(特に前半の)演出面にはキレがあるがヒッチコックの代表作呼ばれる作品郡からは一歩劣る印象。