たこふみ

見知らぬ乗客のたこふみのレビュー・感想・評価

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
4.8
ヒッチコックの天才ぶりを余すところなく示した傑作。
プロのテニスプレイヤーである主人公が列車の中である男と知り合う。その男(ロバート・ウォーカーという俳優が演じている)というのが実に異常なのである。
主人公には別居している形だけの妻がいる。主人公は現在の恋人と結婚するため、妻と離婚したいのだが、妻は応じようとしない。ちなみにこの妻は性格がきつくて男にだらしのない、嫌な女として映画のなかでは描かれている。男は主人公に、この妻と自分の父親との交換殺人を持ちかける。
主人公はこの申し出を断るが、男は本当に妻を殺し、主人公にお前も約束を果たせと迫ってくる。
男はもはやいっちゃっているわけなのだが、その言動の異常さとは裏腹に、一見紳士的で魅力的にすらうつる。その二面性が男の異常さや恐ろしさをいっそう浮き彫りにしている。
そんな悪魔のような男から、果たして主人公は逃れられるのか。。。
サスペンスあり、手に汗握るアクションありと、1時間40分の短い時間にさまざまな要素が詰まった、大娯楽作。
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