このレビューはネタバレを含みます
「見知らぬ乗客」
ヒッチコック×パトリシア・ハイスミス。テニス選手が列車でたまたま居合わせた男に交換殺人を提案され、取り返しの付かない出来ない状況に立たされる。
サスペンス映画としての展開の見せ方がうますぎる。引くに引けない状況に立たされた主人公の心情が嫌と言うほど伝わり、観客側もイライラや焦りを感じる構造になっているところはヒッチコックの手腕と言えるだろう。
主人公の妻と不倫相手の妹似すぎだろと思っていたらそれもちゃんと展開のために用意されたものだった。不倫相手にも同じようなものを感じていたのだろうし、同じような相手を好きになるのは世の常か。
途中まではイライラ展開なのだが、ラストのメリーゴーランドのシーンでアクション映画顔負けのバトルシーンが展開される。これどうやって撮影したんだと思わせるほど凄い。この映画が制作されて70年以上経っているが、今のアクション映画よりもずっと手に汗握る。ヒッチコックはサスペンス映画だけでなく、アクション映画でも天才だった。