同年の「博打打ち・総長賭博」と共に三島由紀夫が鶴田浩二のベストと絶賛した作品。東映任侠映画第一号「人生劇場 飛車角」(1963沢島忠監督)の5年を経てのリメイク。鶴田浩二が飛車角(本作時44歳)、高倉健が宮川(本作時37歳)と配役は同じ。しかし二人とも別人のように演技と存在感を増している。同時に映画としても厚みを増し、キネマ旬報では任侠映画で初めてベストテン入りし9位となっている。クライマックスのモノクロ演出は後の実録路線「仁義なき戦い」のポスターイメージに影響を与えたかもしれない。個人的には吉良常を演じた辰巳 柳太郎のベスト作。吉良常のような年寄りになりたいものだ。