ピュンピュン丸

アナタハンのピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

アナタハン(1953年製作の映画)
4.2
これは必見!

小学生の頃、1972に横井軍曹、1974に小野田少尉が相次いで日本に帰還してきて、大きなニュースになっていたけど、これはそういう話。

実話。

戦争終了を知らずに、太平洋の孤島アナタハン(名前も一興)に取り残されていた日本帝国軍の兵隊たちが、島に唯一の女性を巡って、殺人まで犯していく姿が描かれている。

人間の本性が浮き彫りにされる秀逸な作品。原始のころ、人類はきっとこういう理由で殺人を繰り返してきただろうなぁとつくづく感じた。

男性陣の演技は総じて素人っぽいが、根岸明美さんの流し目の演技などは妖艶で、女日照りの男たちを狂わすには申し分ないもの。調子にのって、飢えた男たちの前で肢体をくねらせながら踊るさまは、原始的でゾクリとくる。

アンヌ隊員のひし美ゆり子さんがやったら、もうたまらんでしょうね。男が最後の1人になるまで殺人が続くんでしょうね。

日本映画ではなく、外国人による作品である点も一興。

この女性の後日談もあるから、興味があれば調べるといいでしょう…。