青空ゆき

アマルフィ 女神の報酬の青空ゆきのネタバレレビュー・内容・結末

アマルフィ 女神の報酬(2009年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

監督は“沈黙のパレード”など“ガリレオシリーズ”で知られる“西谷弘さん”

マドンナ役に天海祐希さん、ゲストは佐藤浩市さんと雅にい(福山雅治さん)!

シリーズ第一作目。

織田裕二さんは黒田康作が一番好き!(笑)

織田裕二さんと雅にいが並んで歩く姿はなかなか…。

フジテレビ開局50周年記念作品として当時、フジテレビが過去最高額の製作費をかけて作った超大作として各方面で大々的に宣伝された。

公開は2009年7月18日、自分はドラマを先に観たのでドラマのヒットからの映画化と勘違いしていたが、実は映画が先だった(笑)

アマルフィ→外交官 黒田康作(ドラマ)→アンダルシアの順が正しい。

自分がアマルフィを観賞したのは2022年6月14日、サブスクで観賞。

まだコロナの影響が強く残っている時期でいまこのレベルの作品を作るのは難しいのでは?と思えるくらい“いい意味で”フジテレビらしい極上のエンターテイメント作品だなと思った記憶がある。

TBSとWOWOW共同制作のドラマ“ダブルフェイス”、“MOZU”など個人的にお気に入りの作品の楽曲を多数手がけている“菅野祐悟さん”の曲も映画の雰囲気をぐっと盛り上げてくれる!

“サラ・ブライトマン”が歌う主題歌“タイム・トゥ・セイ・グッバイ”も印象的で美しい。

ちなみに自分は“黒田康作シリーズ”の大ファンで踊る大捜査線のような三枚目?から黒田康作のようなパーフェクトな“しごできエリート”まで幅広くイケる織田裕二さんの大ファンだ。

そして、この作品に対する世間一般的な評価が“相当ひどい”ということも知っている。

でも何故だろう。

好きだからか、自分の感性が鈍いからか、楽しいんですよねー(笑)

映画もドラマも、結局のところ観る人次第。

織田裕二さん、佐藤浩市さん、雅にい(特別出演)、そしてローマ法王ばりの“女神的な人格者”といわれている天海祐希さん、“大塚寧々さん”、“戸田恵梨香さん”、“伊藤淳史さん”、“中井貴一さん(声での出演)”など超豪華なキャスト陣で送るエンターテイメント超大作。

“世界一美しい街にうごめく嘘、錯綜する真実の果てに待つもの”

まだ観てない人はこの機会に是非!

“申し訳ない、クリスマスに間に合わなくて”

ローマに20年ぶりの雪が降る。

治外法権、“イタリア国内”にある“小さな日本”とでもいうべき場所(日本大使館)に赴任してきた一人の男。

彼の名は“黒田康作(織田裕二さん)”、世界中を飛び回る外交官だ。

仕事は超一流だが無愛想で嫌われがちな彼は日本人を守るという使命を負ったエージェント。

今回もテロを未然に防ぐという特命を受けてこの地にやってきた。

黒田は大使館の仕事をそつなくこなしながらテロの全貌を掴むため自由奔放なジャーナリスト“佐伯章悟(福山雅治さん)”に会うなど秘密裏に調査を進める。

そんななか、旅行中の日本人“矢上紗江子(天海祐希さん)”の娘が誘拐される事件が発生、黒田は紗江子の娘を助けるため奔走することに。

テルミニ駅、サンタンジェロ城、スペイン広場…そして二人は“ローマ”から世界で最も美しい地“アマルフィ”へ。

“アマルフィ、それはギリシャ神話の英雄ヘラクレスが愛した妖精の名。
彼はアマルフィの死を悲しみ、世界で最も美しいこの地にその亡骸を埋めて街を作ったという”

バルカニア共和国、49人の犠牲者。

軍事政権が治める中近東の国で7年前に日本人が犯した罪。

誘拐事件の背景には4人の哀しき戦士たち、そしてその家族に降りかかった悲劇があった。

“藤井昌樹(佐藤浩市さん)”たちの真の狙いはG8外相会合の会場で登壇する外務大臣の“川越亘(平田満さん)”

川越は平和には使われないことを知りながらバルカニアに資金を援助、軍事政権の樹立に貢献した。

自分の出世の材料にしたのだ。

一部の人間の私利私欲のために犠牲になる命。

大義のためだなんだと自分勝手な都合のために犠牲になる命。

その真実を白日の下に晒し、川越に罪を償わせるために藤井たちは立ち上がった。

“黒田、お前のやり方でその命は救えるのか?”

この問いは無敵とも思える黒田の心のなかで葛藤し続け、ドラマ、アンダルシアへと続いていく。

藤井たちの前に立ちはだかる黒田、“復讐という名のテロ”を止めることはできるのか?

そして、女神が黒田たちに与える報酬とは…。

企画、プロデュースを務めた“大多亮さん”はアマルフィを“観光映画”としてイメージしていたそう。

そのため、本作には沢山の有名な観光地や世界遺産が登場する。

大好きな川崎の映画館チネチッタの語源になったイタリアの有名な映画スタジオ“チネチッタ・スタジオ”でも撮影が行われた(日本映画の撮影は初!)

ポジターノの街、アマルフィ海岸…行ってみたいですねー(イタリアやギリシャはスリが多いという話をよく聞くので気をつけながら笑)

劇中ラストのローマ市警“ロッコ警部”のセリフ、“ボールハトモダチ”

やっぱりキャプテン翼は世界レベルなんだなと(笑)

このイタリアの俳優が話す日本語のシーンは西谷監督の理由を言わないNG、説明がないNGで何回も撮りなおしたシーンがあるそうで。

この西谷監督の“謎のもう一回”には演技に“熱いこだわり”がある織田裕二さんも流石に辟易したとか(笑)

西谷監督のエピソードといえば沈黙のパレード公開の際に雅にいの“福のラジオ”に“北村一輝さん”がゲストで出演されてた回。

西谷監督はコップの持ち方、角度などすべて細かく指定してくるらしく、はじめて監督の作品に出演する俳優のなかには困惑する人もいるとか。

一輝さんも雅にいも俳優としてのキャリアを重ねたいまはその限られたなかで個を表現することが出来るようになったけど…と。

その話を聴いてお二人のすごさ、そして天才と呼ばれる人はやっぱりどこか他の人とは違うんだなーって思いましたね(笑)

本作で物議を醸した“脚本クレジットなし問題”と“画面真っ暗問題”

脚本は西谷監督と“真保裕一さん”二人で書いたそう。

書いたが、二人ともクレジットに脚本担当として自分の名前が載ることを辞退。

それでクレジットなしになったらしい。

ちなみに真保さんの“小説版アマルフィ”は“チェチェン紛争”が絡んでいて映画版とは内容が違う。

バルカニア共和国は架空の国家、チェチェン共和国は実在するロシアを構成する国家の一つ。

現実に起きた社会問題を絡めているのだ。

“これが(映画版アマルフィ)自分の脚本だとは思われたくない”

真意は分からないが、真保さんのこの言葉はいろんな意味を考えさせられる。

真っ暗問題はですね、作品の途中で上映トラブル!?ってなる感じで真っ暗になる、不自然に映像が途切れる部分があるらしく。

これは意図的なものといわれているが、サブスクで観賞したときは修正されてるのか、自分が気づかなかっただけか。

ちょっと分からなかった(笑)

“予算を使いきるのが外交官の仕事、散財できるのが外交官の特権”

日本人を守るためには手段を選ばない、弱き者を助けるためなら巨悪にも怯まない。

諸事情を考えれば難しいかも知れないが、続編(アンダルシアに続く作品)を熱く熱く熱く期待したい!
青空ゆき

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