かすとり体力

SR サイタマノラッパーのかすとり体力のレビュー・感想・評価

SR サイタマノラッパー(2008年製作の映画)
3.8
インディペンデント映画でスマッシュヒットしたという前情報、及び私が曲がりなりにもサラリーマンラッパーをしている、という諸前提から、強く興味を抱いていた本作。

観てみたけど、確かにこれは良い!

ジャパニーズヒップホップが置かれている微妙な空気感(最近これは結構良い方向に変わりつつあるが)を、「田舎」という舞台設定になぞらえて表現しつつ、その微妙な立ち位置、切なさ、哀しさを浮き彫りにして描き出している。

パンチ力が桁外れなシーンも多し。
・中盤の役所のシーンの気まずさ&おかしさ、そしてその裏返しとしての哀しさ
・ラストシーンの、ダサいんだけど、だからこその震えるほどのかっこ良さ
ここら辺はなかなか記憶にこびり付いて離れないレベルかも。

みひろとの関係性も、最後まで絶妙にドライなラインを守り抜いたのに拍手。

観終わって数日経った今も、登場人物を愛しているし、次作で早く会いたくなっている。ということ、キャラクター造形としてもちゃんと勝っているのよね。

期待通りに面白かったです。
かすとり体力

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