プレコップ

SR サイタマノラッパーのプレコップのレビュー・感想・評価

SR サイタマノラッパー(2008年製作の映画)
4.3
埼玉という郊外の都市を舞台にしたこと、ヒップホップがまだまだダジャレと捉えられていた2008年に制作されたこと、そしてまだ駆け出しの入江悠監督のもとに映画初出演の役者が集まったことで様々な化学反応が発生した一作。

日本語ヒップホップの持っていたジレンマを長回しカメラから伝わってくるイタイタしい温度差によって突きつける感覚が素晴らしく、意図しないコメディポイントが唯一無二な鑑賞体験を届ける。

ラストもまた印象的な長回しではあるが、痛々しさを突き抜けた真のヒップホップが生まれる決定的瞬間を見られるヒリヒリ感が至高。チープなルックやスカスカのストーリーがこのどん底を盛り上げる。
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