なっすん

ドラえもん のび太の宇宙漂流記のなっすんのレビュー・感想・評価

3.9
―地球はぼくが守る!―


【あらすじ】
将来宇宙旅行を約束されたスネ夫に自慢をされるのび太たち。仲間はずれにされたのび太はドラえもんの道具で今すぐ宇宙旅行ができると対抗し、ひみつ道具「スタークラッシュゲーム」を出してもらった。
5人でゲームのなかに入るも、ジャイアンとスネ夫だけが道具の故障で中に取り残され、ドラえもんたちの知らぬまに宇宙人にゲームを持っていかれてしまう。
2人を連れ戻すために「宇宙救命ボート」を使って、宇宙船を追いかけるのび太・しずか・ドラえもんだった―――

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「銀河超特急」から間もなく、再び宇宙が舞台の作品。
「宇宙開拓史」「宇宙小戦争」と、過去何度も取り上げ擦られまくった宇宙が舞台であるが、藤子F不二雄先生が亡くなられ、藤子プロにて描かれる宇宙は初。目指す目的地に向かう過程で立ち寄る星での危機を回避していくというスタイルは、宇宙作品としては新しいドラの形であった。
また1999年公開ということで、世間で話題となっていたノストラダムスにも絡ませたり、年代を象徴する作品となっているのもみそ。

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冒険活劇のほかに「自然」がテーマとなっている。
ゲストキャラであるリアンは植物のことになると目の色を変えると言われるほど植物好きであり、自分達の星「惑星ラグナ」は環境破壊によって300年前に投げ出されていると語られる。地球を「緑豊かで美しい星」「植物が生きている」と評価し、環境破壊を続けると星を捨てざるを得なくなるというメッセージ性も織り込まれた。

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そしてリアン含め、ゲストキャラの存在感は今回も健在。
最初は敵対するも仲間になってからは心強いキャラばかりで、幻惑の星でのび太たちを助けるために必死にハッチをたたくリアンはとても印象的。マスコット的存在のログや、立ち位置的にフレイアも必要不可欠なメンバーであるため、影の薄いゲストキャラがいないという素晴らしいバランス。(ゴロゴロはあんまり活躍してないが体が大きいのでなんか目立つ笑)

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ひみつ道具無双を避けるため、中盤で四次元ポケットをなくす展開が多々ある映画版。
しかし今回は、話の妨げになる「宇宙救命ボート」「どこでもドア」「タイム風呂敷」のみ使用不可になる展開。
それ以外は自由に道具を使っており、ドラえもん無双が楽しめる。テキオー灯でなく、宇宙ククククリームスプスプスプレータイプでないといけない理由はあったのかな?
しかし道具使用時のドラ弱体化は年々進み、のび太のキレっキレな道具の応用が楽しめる。
のび太よ、そこまでキレるなら宇宙に出る前に取り寄せバッグでクラッシュゲームを取り寄せる提案をしなさいよ。

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主題歌は当時人気であったアイドルグループ「SPEED」
ドラ史上、アイドルグループを起用したのは初の試みであるが、子供のころに見てるので全く違和感がなかった。映画20周年ということで、エンドロールでは過去の映画ドラのイラストも見れたりとても印象的。
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