映画鑑賞のおさる

ドラえもん のび太の宇宙漂流記の映画鑑賞のおさるのレビュー・感想・評価

3.4
劇場版ドラえもんの第20作。

銀河を旅する宇宙船団に迷い込んだジャイアンとスネ夫を助けるため、のび太たちが宇宙へと旅立って冒険を繰り広げるというストーリー。

藤子さんが亡くなってから2作目の劇場版ドラえもんで、テレビ&映画20周年記念"超大作"と銘打って放映された作品。その謳い文句に違わず(たがわず)、宇宙を旅する壮大な物語になっている。

鋼鉄の蜘蛛のようなモンスターがいる星や、訪れたものに幻を見せる眩惑の星、宇宙船の墓場などさまざまな難局を乗り越えながらの冒険は、子どもがみたらワクワクするだろうと思う。

一方、藤子さん没後の劇場版ドラえもんにはどこか設定の甘さというか引っ掛かる部分があるようにも感じる。

例えば本作だと早々にジャイアンとスネ夫を見つけ出したわけなので、宇宙を旅する必然性がない(見つけた時点でとっとと帰るのが普通)。それを「もっと冒険したい」的なノリで自ら危険に首を突っ込んでいく感じは、脚本としてはイマイチに思う。

他にも、安易に親子の物語を入れようとしてくるところが個人的にはあまり好きではない(というか、唐突すぎてなんの感動も生まれないので、物語の邪魔になっていると感じる)。

とまあ、少し文句めいたことも書いたが、全体的には面白い作品だと思う。特にSPEEDが歌うエンディング曲、それに加えて20年分の劇場版ドラえもんの思い出が流れるエンドロールは抜群によい。たくさんある劇場版ドラえもんのエンディングのなかでもトップクラスのエモさだと思う。

「終わり良ければすべて良し」ではないが、エンディングが良すぎてそれだけで若干スコアも高くつけているかも知れない。もうすぐ声優さんが交代してから20周年を迎えると思うが、そのときには大穴で本作のリメイクもありかなと思う。

【冒険の舞台】
 宇宙(銀河を旅する宇宙船団)

【キーになるひみつ道具】
 スタークラッシュゲーム
 ひらりマント、ビッグライト