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ジャバーウォッキー
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『ジャバーウォッキー』に投稿された感想・評価

テリー・ギリアム監督の初の長編作品です。モンティ・パイソン的でもあるし、テリー・ギリアム的でもある。最初の単独監督作品なので過渡期的な位置づけとも言えますね。ノリ的にはテリー・ギリアムが共同監督を務めた前作『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975年)にかなり近いです。クライテリオン版のBDで鑑賞。

ルイス・キャロルのナンセンス詩『ジャバウォックの詩』に登場する怪物ジャバーウォッキーを退治する話。王様ブルーノは怪物ジャバーウォッキーを退治するナイトを選ぶためにトーナメントを開催します。小さな村から城下町にやってきたデニス(マイケル・ペイリン)はトーナメントを制したナイトの付添としてジャバーウォッキー討伐に付き合わされるのですが……という話です。

まず、モンティ・パイソンの伝統に従い、歴史考証がちゃんとしている(のだと思う)ため、中世の世界がリアルに描かれています。全くファンタジーじゃない。すっごく汚い中世の世界。まず、この世界が好きかどうかで好みが分かれると思います。衣服も汚れているし、食べ物も不味そう。足首が切られた男や、馬の死骸。ブンブン飛び回る蠅。

ストーリーもあってないようなものです。途中でモンティ・パイソンらしいシニカルな笑いが入ります。このブラックさはいかにもイギリス人ですよね(テリー・ギリアムはアメリカ人ですが)。モンティ・パイソンが大好きな人だったら、このノリはついてこれる。しかし、それ以外の人は多分置いてきぼりにされるんじゃないかなあ。

これを観るのであれば、『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』の方がいいかな。まあ、『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』を観るならテレビ版の『空飛ぶモンティ・パイソン』を観た方がいいのですが。
なんか…
何時までも物語が始まらない…

というような
イライラはする作品で

わけがわからない

のだけど
このテリー・ギリアムの
独特の作品の世界観が
自分にはとても性が合っていて
大好きな作品

顔も心も醜いヒロインが
私はとても好き❤(ӦvӦ。)

でも人には奨めない(笑)
sleepy

sleepyの感想・評価

4.0
ギリアムの小汚い「中世」****

原題:Jabberwocky, 1977, UK, 105分

中世の架空のブルーノ王国。恋するグリセルダと婚姻することだけが望みの、素朴で無欲で純朴(すぎ)の、よくいえば好青年、悪くいえば愚鈍な主人公デニス(樽職人の子、マイケル・ペイリン。英モンティ・パイソンのメンバー)が世界に出て行き、成り行きに翻弄される物語。人食い竜のバケモンが出没し、村人を食い散らかし、パニックになり、皆は王に請願する。騎士ナンバーワンを決めるトーナメントが開かれて、そこにペイリンが巻き込まれてしまい、退治の旅に出るというのが骨子。

しかし本筋もそこそこにギリアムの狙いは暗黒の中世の猥雑で混沌とした世界再現とその不条理を暗いユーモアで描くことにある。爆笑はしないがフフッとなった。

ギリアムはもちろんモンティ・パイソンのメンバーであり、BBCのTV「空飛ぶモンティ・パイソン」の1人アニメーター。本作はそのギリアム流のシモネタ含みのブラッディな脱力叙事詩(壮大な血糊、ウ〇コ、ゴアあり)。初めて単独で監督した長編が本作。本作はこれまで観たどの中世モノ映画のLookよりも(私は専門家ではないので真偽はともかく)ぐずぐずで煙たくて汚く薄汚れてリアルに感じられた。衣装や小道具、オープンセットなどのクオリティが、低予算ながら尋常ではなく、画面の情報量は相当なもの。中世趣味と情熱が横溢している。これは中世の専門家でもあるパイソンの同僚テリー・ジョーンズにも因るところ大かも知れない(本業学者顔負けらしい)。
テリー・ベドフォードの撮影も自然光や焚き火などだけを使い、光が美しい作品だ。煙や霧、砂埃などがアクセントになって画面に動きと「らしさ」を持たせている。

オフ・ビートであり、ハリウッド映画ばかり観ている方にはぐだぐだ、チープに見えると思う。しかし展開のラインはきわめてシンプルで、
それゆえ奥深い様々な権力や運命への意地悪で軽やかな皮肉がみてとれる。機能しない統治、いいかげんな君主や腹黒い取り巻き、形式主義、庶民の蒙昧・教会の権威と腐敗、ギルドの残酷さ等をナンセンスの衣で包む(ギリアムは大学時代は政治学専攻)。この時代の文化・風俗・生活の知識が多ければより楽しめるかと。

ギリアムのアニメーション群の実写版の雰囲気を持ち、カリカチュアライズされた彼流の汚いおとぎ話、ブラックなコミックあるいは絵本といっていいかと思う。

タイトルはルイス・キャロルのナンセンス詩『ジャバウォックの詩』(Jabberwocky)から採られており、冒頭で触れられる(鏡の国のアリスThrough the Looking-Glassの作中詩)。これは怪物の名だ(作品中そうは呼ばれないが)。原典の挿絵を割と映画では忠実に再現している。

また、チェコの短編アニメ作家ヤン・シュヴァイクマイエルも同じ素材で1971年に短編を製作しているので購入時にお間違えないよう。そちらの邦題は「ジャバウォッキー」(英題は同じ)。私も本作を近時知ったが、ギリアム・ファンで未見の方、ぜひ。
公開は英国に遅れること3年の1980年。当時の海外評価も別れていたようで過度の期待は禁物だがどこか忘れがたい。邦盤ディスクはいまだ出ていない、と思う。

Jabberwocky, 1977, UK, オリジナルアスペクト比((もちろん劇場上映時比を指す)1.85:1 , 105分, カラー, ネガ、ポジとも35mm

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2020年01月24日

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133分
3.6

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