こぅ

春なき二万年のこぅのレビュー・感想・評価

春なき二万年(1933年製作の映画)
3.9
'22 1/19 ジャケ写掲載していただきました。

【カサブランカ】のマイケル・カーティス監督初鑑賞による、
【ドラマ】。

OPクレジットで、刑務所の囚人に飛び交う無数の数字、、
間もなく原題である、シンシン(刑務所)の2万年という
タイトルが出没する演出がユニーク。

本作は、当時の所長だったノンフィクション本の映画化で、
2万年=囚人達の【刑期トータル】を意味する。

冒頭、列車で護送される刑期30年のギャングの大物らしき
トミー(スペンサー・トレイシー)は、余裕綽々で、警察官を
も煽り、大口を叩いている。

務所到着後も態度はデカい。
付添いのトミーの仲間、ジョー(ルイス・カルハーン)が
ウォーデン所長にコネで早く出してやろうと賄賂で掛け合うが
追い返される。
所長の正義感と、大物だろうが囚人に一切エコ贔屓しない
強靭なキャラを簡潔に提示している。

脚本のテンポが良く、状況も分かり易い。

務所モノには、囚人らとの出会いや対立、看守との争い等が
付き物だが、一番のお約束と言ったら【脱獄パート】であろ
う。
本作にもしっかりと用意されているが、これがメインでは
無い。

トミーの楽しみは、彼女のフェイ(ベティ・デイヴィス)との
面会。これが本作のキーになってくる。

ある日、トミー宛に医師から電報が届く、、。
ここからが本作のメイン。
所長からの計らいと、トミーを信用するが故の【ある約束】
を交わす。

約束を破られたら所長はお終い。
思わぬ事態にトミーは葛藤した。


終盤、トミーは落ち着き、迷いは一切無いのだ。


ラスト、
本作は素晴らしいラブストーリーでもあるが、【男同士の
熱き友情】が謳われる。
映画的ドラマティックであっても、これが実話となると何とも
皮肉である。

ヘヴィな話を良くも悪くもサラッとライトに纏めている。


*ベティ・デイヴィス(25)が若くて細くて魅力的。
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