鍋レモン

真実の行方の鍋レモンのレビュー・感想・評価

真実の行方(1996年製作の映画)
3.9
⚪概要とあらすじ
野心家の弁護士が担当した、ある事件の顛末を描く法廷サスペンス。

大司教惨殺事件で逮捕されたのは、彼の侍者のアーロンという青年だった。売名家と呼ばれている弁護士マーティンは、事件の話題性から無償での弁護を申し出た。あどけないアーロンの表情を使ったマーティンの作戦も、明らかにされていく宅地開発に絡む大司教への恨みや“悪魔払い”の名のもとにビデオに収められた醜聞も、元恋人の検事ジャネットによって次々と提出される物的証拠の前にはなす術が無かった。そんな時、アーロンの精神分析を担当したアーリントン女医がつかんだ事実とは……。

⚪キャッチコピーとセリフ
“あなたには いくつの顔が有りますかー 誰にでも隠したい顔がある…”

「愛と裏切りは紙一重さ」

⚪感想
法定スリラー作品。

1996年の作品とはいえ、シンプルな設定なのにここまで面白くさせているのが凄い。

主人公であり弁護士であるマーティンは現実にいたら心強い。被害者の立場だったら最悪だが。
事件を犯していた事実があろうと人は元から良い人間でありという認識の元動いている彼はかっこいいと思う。

どんなに凶悪な事件を犯していても、「こんなやつ死刑だろ」と多くが思っても弁護士はそれを擁護、刑を軽くするために動くっていうのが理解できそうで意外と難しい。

リチャード・ギアとハリソン・フォード間違えがちなところ気をつけたいし、エドワード・ノートンとサム・ロックウェルも間違えがちなところ気をつけたい。

今作や『ユージュアル・サスペクツ』のような最後のシーンは分かった上で観るとどうしてもニヤッとしてしまう。好きなシーン。

指が切れたり、ピアスで耳がちぎれるシーンの出血やばすぎて「ヒェッ」ってなった。



⚪以下ネタバレ



鑑賞前にフィルマの感想を見た時に彼が二重人格であることを知ってしまったのでそこに至るまでがやや長くてつまらなかった。
それに加えて二重人格からのどんでん返しとなったらもう選択肢としてはほぼほぼ実は彼は二重人格ではないに行きついてしまうよなと。

エドワード・ノートンの演技は言わずもがな。
言うまでもないといいながら語るけど、目というか視線の使い分けが凄い。確かにアーロンとロイとでは全然目が違う。

アーロンはおらずロイだけとの事だが、事件の際に血まみれで逃げてアーロンの振りをしたということはそもそもこういう結果が見えていたって事なのかな。

⚪以下ストーリー(Wikipediaから引用)
シカゴの弁護士マーティン・ベイル(リチャード・ギア)は、目立ちたがりで、世間の注目を集めるクライアントを無罪にするためには法律上許される範囲ギリギリの詭弁を駆使して何でもする。ある日、彼はケンタッキー州出身の19歳の青年アーロン・スタンプラー(エドワード・ノートン)が逮捕されたというニュースを目にする。教会のミサの介添え役を行い聖歌隊にも所属する彼は、敬愛するラシュマン大司教を惨殺した罪で起訴されていた。ベイルは、この事件を無償活動のチャンスだと考え、すぐさまアーロンに自分に弁護を依頼するように持ちかける。郡立拘置所でアーロンと面会するうちに、ベイルは依頼人の無実を確信するようになり、ベイルのかつての恋人でもあるジャネット・ヴェナブル検事(ローラ・リニー)を悩ませることになる。

裁判が始まると、ベイルは、腐敗した州検事(英語版)のジョン・ショーネシーをはじめとする街の有力者たちが、教会所有の土地での開発を行わないというラシュマン大司教の決定により、最近、不動産投資で数百万ドルを失ったことを知る。さらに、その結果からか、ラシュマン大司教は密かに多数の殺害予告を受けていたのだった。元介添え役の少年から、アーロンも関与するビデオテープについての情報を得たベイルは、大司教のアパートを捜索し、アーロンが他の10代の少年やリンダ・フォーブスという10代の少女と一緒に性行為を行っている様子を撮影した、ラッシュマン大司教のVHSテープを発見する。しかし、この証拠を提出すれば、アーロンは陪審員の同情を得られるが、ジャネット検事が立証できなかった殺人の動機も与えてしまうというジレンマに陥ってしまう。

ベイルがアーロンに嘘をついたことを非難すると、アーロンは泣き崩れ、突然、"ロイ"と名乗る暴力的な人格へと入れ替わる。"ロイ"は大司教殺害を自白し、ベイルを脅すが、すぐに消極的で内気な性格の"アーロン"へと再び戻り、人格が変わったことを覚えていないようだった。まさに彼がベイルに伝えていた「時が消えた」の正体がそこにあった。彼の記憶喪失を調べていた神経心理学者のモリー・アリントンは、アーロンが典型的な多重人格であり、父親とラシュマン大司教による長年の肉体的虐待や性的虐待が原因だと確信し、ベイルに伝えた。しかし、ベイルは、裁判中に答弁の変更や心神喪失による責任能力の有無を訴えること、その証明も含めて認められないことを知っているので、この話を聞きたくなかった。

ベイルは、ラシュマン大司教の小児性愛やアーロンの多重人格について、答弁を変更せずに証明しようと躍起になる。また、一計を案じセックステープをジャネット検事に届けさせる。それは、彼女がショーネシーと上司のバド・ヤンシーから何としても有罪判決を引き出すように強い圧力を受けているため、テープの送り主が誰であるかを悟り、動機の証拠として利用することを確信していたからだった。

次の公判で、ベイルはショーネシー州検事とヤンシーが、別の青年から提出されたラシュマン大司教に対する性的虐待の告発を握り潰したという証拠を提示した。また、アーリントン博士の証言を通じ、アーロンの多重人格を陪審員に伝えようとする。さらに、ベイルはアーロンを証言台に立たせ、ラシュマン大司教から受けた性的虐待について丁寧に問いかける。反対尋問でジャネット検事から厳しく問い詰められたアーロンは法廷の場で"ロイ"へと入れ替わり、彼女に襲いかかった。「誰か近づいてきたら首をへし折るぞ」と脅すも、裁判所の執行官に取り押さえられ、拘置所に戻されることとなった。ショート判事は陪審員を解任して非陪審審理(英語版)へと変更し、被告人を心神喪失を根拠に無罪、身柄を精神病院に委ねることとした。審理無効となり敗訴したことと、ラシュマン大司教の犯罪を公にしてしまったことで、ジャネットは職を失ってしまう。

ベイルは独房にいるアーロンを訪ね、裁判の中止を伝え、精神病院に収容されるがすぐに出てこられるだろうと裁判の勝利を二人で喜ぶ。アーロンは法廷での出来事を全く覚えていないと言い、またしても「時が消えた」と言う。ベイルが帰ろうとしたとき、彼はベイルに「彼女の首が無事であることを祈っていると伝えてくれ」とヴェナブル検事に詫びるように頼む。しかし、「時が消えた」のであれば覚えていないはずだとベイルは気付く。再度ベイルと対峙したアーロンは、多重人格を偽っていたことを明かす。吃音がなくなった彼は、ラシュマン大司教や恋人のリンダを殺したことを自慢する。ベイルが"ロイ"はいなかったのかと尋ねると、ロイは「"アーロン"がいなかった」と答える。茫然自失となったベイルは、独房からロイに嘲笑されながら、裁判所を後にする。

⚪鑑賞
YouTubeレンタルで鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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