m

真実の行方のmのレビュー・感想・評価

真実の行方(1996年製作の映画)
4.0
傲慢な男が信じたのは無垢な少年…ではなかった作品。
正義を振りかざし、また正義を貫いたマーティンのラストショットに悲鳴をあげた。

今作に出てくる病気が変に誤解されてるのって絶対的にこの作品のせいだと思うの!
偏見への影響は少なからず与えてるぞ!と苦々しく思いながらも、でも客観的に可笑しな理解不能な病気だということも分かった。
図々しいよね、分かる、マジ勘弁してって思うよね。
……とまぁ、少々今作に対して違うところで思うことはあったけど、一応それは脇に置いておいて。
めっちゃ面白かった!

リチャード・ギアさん演じたマーティンのラストの表現に悶えた。
フォローしている方と今作のリチャード・ギアさんについて話した時があったんだけど、私はリチャード・ギアさんが苦手だ。
なんともあざとい。
「俺良い男」感が演技の端々に滲み出ている。
キムタクがキムタクなように、リチャード・ギアさんはリチャード・ギアさんにしかならない。
自分自身を隠し切れないなにかが存在している気が私はしている。
今作も例外じゃなかった。
ただ彼の苦手意識を今作で感じなかったのは、エドワード・ノートンさんだった。
エドワード・ノートン今作がデビューなの!マジで?すげぇ……。

出世意欲の強く傲慢な弁護士マーティン(リチャード・ギアさん)
そこにカトリック教会の大司教が惨殺されたという一報が入る。
大司教殺害の容疑で逮捕されたのは19さいの青年アーロン(エドワード・ノートンさん)だった。
そんなストーリー。

アーロンの可愛さ…ヤバい。
エドワード・ノートンのあのベビーフェイスなんなの。
とりあえずアーロンめっちゃ可愛くて、キャスティングした人ありがとう、感謝。

記者に話す態度だったり、アーロンに対する態度だったりがどこか傲慢な感じに見えたマーティン。
弁護士として容疑者に寄り添う姿勢が無い彼は、アーロンの話をでっち上げようと裏取りを始める。
実際の裁判をそんなに何度も観たことがないから分からないけど、あちらの裁判はとてもパフォーマンス的だと色んなところで描かれていて、そう認識している。
マーティンも「真実は幻影」とまで言っていた。
マーティンがどう仕事をこなしていたのかが分かる。
それが悪いとは思わないけど、凄く馬鹿にした描写があったり軽視している描写があったりとなんだか嫌だなぁと思っていたら……!
そうか今作の主人公がマーティンだということをすっかり忘れていた。

マーティンの信じる真実。
その行方を辿る作品なんだ…。
ラストショットの呆然としたマーティンの表現に、にやけが止まらなかった。

二転三転しながら、新たな事件も含みながら、ハラハラする展開は面白かった。
また盲点を突いたどんでん返しであり、人間の恐ろしさも伺える。
楽しかった。

フランシス・マクドーマンドさん出ていてテンション上がった。

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★★★
キャスト: ★★★★☆(敢えてアーロンに)
メッセージ性 : ★★★★☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/あなたには いくつの顔がありますか──
m

m