千里

劇場版 空の境界/第七章 殺人考察(後)の千里のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

2023.12.26
未来福音から10周年を記念しての劇場でのリバイバル上映にて。家での鑑賞も含めて10年ぶりくらいの鑑賞。順番的には次は6章だったのだけど、年内に観終えるためにはどうしても今日7章と終章を観なければならなかったので飛ばして先に鑑賞。シリーズの集大成ともいえる素晴らしい傑作。黒桐幹也と関わることで変わっていく自分を恐れた両儀式と、そんな式の罪や全てを背負ってでも一緒に居ることを誓った黒桐幹也の物語。

元々5章の次に盛り上がる章といったイメージだったけど、5章と比べると地味なこと(むしろその雰囲気がこのシリーズの良さなのだけど)や敵キャラである白純里緒も浅上藤乃や荒耶宗蓮と比べると弱い為、そんなに楽しめなかった印象だったが、今観返すと本章こそ本シリーズの本質的な章であり、最もヒューマンドラマとして面白い章だったと言える。今なら一番好きだった3章よりも好きかもしれない。

黒桐と関わることで、殺人衝動という自分の本質から変化することを恐れたことや、現れた白純里緒という自分だったかもしれない相手に感化され、殺人鬼であろうとする式。そんな式の全てを受け入れ、共に歩んでいこうとする黒桐。かつて憧れ恋焦がれた式に自分と同じ側でいることを執着的に望む白純里緒。この要素に三者の関係性の絡ませ方が見事だった。

殺人という行為を通してようやく共に歩んでいけるようになった2人というのが本当に危ういしめんどくさい。でもそこが良い。

2024.1.20
リバイバル上映にて劇場で2回目(家では何度も観てるけど)の鑑賞。スコアは前回と同じ。終盤の盛り上がりと式と黒桐の心情描写がやっぱり素晴らしい。
千里

千里