みかんぼうや

離愁のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

離愁(1973年製作の映画)
3.3
第二次大戦の戦火を避難するために妊娠中の妻と娘とともにすし詰めの汽車の貨物車両に乗った男性が同じ車両に居合わせたユダヤ人の美しい女性と恋に落ちるという、いわゆる戦争メロドラマ。

“ラストが全て”と言っても過言ではない作品で、第二次大戦・ナチス・ユダヤ人、という言葉から想起されるホロコースト物の惨劇的な展開や描写はほぼなく、ラスト10分くらいまでは、淡々とザ・メロドラマを観続けることに。

しかし、ラスト10分で、それまで培われてきたメロドラマを、ある一つの結末として一気に回収する。破壊力や驚きがある展開とまでは言えませんが、評価の高さに納得する締めくくりでした。

時代を感じさせる映像や作品の雰囲気、第二次大戦下の話ということもあり、どこか「ひまわり」を連想させるところもあり(ストーリーはだいぶ違いますが)、「ひまわり」のような哀愁系の作品が好きな方には、特にお薦めしやすい作品です。(個人的には物語の濃さ的に、「ひまわり」のほうがだいぶ好きではありますが)
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