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太陽の季節のlarabeeのレビュー・感想・評価

太陽の季節(1956年製作の映画)
3.2
【この男に共感出来る所はどこにもない】

66年前の作品なので価値観が違う事もわかるが、それにしても登場人物誰一人に共感できないままストーリーが進行していく。

そもそも長門裕之が二枚目の主人公を演じている事にも違和感が。カッコいいか?

裕次郎の存在感に関心を持って観ようとしたが、少し出てるだけなのね。後の活躍を知ってるから「裕次郎や」と思うが、特に存在感があるとも思わなかった。

斜に構え本音で生きようとしない若者、それがカッコいいと思って結局幸せになれない若者、そんな姿を描いているにせよ本作には救いが無い。特に主人公の津川。

ずっと「昔はこういう価値観だったのかなあ」と思いながら何とか自分が基準とする「観る価値ありなしのボーダー3.0点」のギリギリと思いながら観て、最後の最後、南田洋子の写真の目力にやられて3.0点超えとした。あの写真はお見事。

それにしても小津や黒澤の作品が時代を超えて訴えてくるのに古いままの作品もあるということもよくわかった。
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