キグルミ

男はつらいよ 寅次郎わが道をゆくのキグルミのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

寅さんが竜造にお見舞いを渡した際に
涙ぐんだ表情で静かに仏壇に
手を合わせに行く姿が
自分の兄に寅次郎がしっかり
成長してるんだよと語っているようで
じんとくるシーンだった。
武田鉄矢演じる留吉が何度も恋愛に
失敗する姿を見て寅次郎のふられ方は
男らしいふられ方をしてるんだなぁと
認識させられた。留吉がメインのシーンで
流れる音楽がどうしようもなさに
溢れてて面白かった。
友達であり劇場のスターである奈々子と
話しているさくらを見て憧れからくる
どこか切ない表情が少し切なくもあった。
しかしさくらが劇場に出るような人ではなく工場に勤めている博と貧しくも
慎ましく、暖かな暮らしをしているのが
より諏訪さくらという人間の魅力を
引き出してるんじゃないかと思う。
寅次郎を迎えに行くためどこへでも遠いところへ向かうさくらの苦労もあるが
小旅行のようで少し面白い。
タコ社長が社員を連れて劇場を見に行くシーンで売店で好きなものなんでも買いなさいと言うようなセリフで中小企業の社長だからこそ人情や優しさを深く感じる。
その人だからこそ誰かの心を動かしたり、はたまた暖かい気持ちにさせたり
自分らしさというのは見る人が見れば短所にも長所にもなるのが人の
素敵なところだなぁと思う。
奈々子が恋愛を捨ててはダンサーの道を
ダンサーの道を捨てては恋愛を取る姿が
人生の別れ道を正に彷徨っていて
結婚を決意し、引退を決めた奈々子の
最後のステージで
私、ダンス辞めたくない と涙を
流す姿に同情してしまった。
別れ道に立たされ着実に進んでいるみんなの姿は現代を生きる自分たちも同じである。全ての人が自分の道を後悔しない、
幸せな日々でありますように。
キグルミ

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