ペイン

ニュー・ワールドのペインのレビュー・感想・評価

ニュー・ワールド(2005年製作の映画)
4.5
「ミッドサマー」アリ・アスター監督が選ぶテレンス・マリック作品のベストとのことで鑑賞。

アニメ版とはあらゆる意味で一線を画した仕上がりのマリック版“ポカホンタス”。

ポカホンタスとジョン・スミスの恋物語にシンプルに感涙。本作以降より内省的で観念的な作品が増えるマリックだが、本作は誰もが知る古典の型(ストーリーライン)があるので、語り口はマリック節が効いていても「ツリー・オブ・ライフ」辺りに比べるとかなり飲み込みやすい印象。

名カメラマン、E・ルベツキとも本作からタッグを組んだマリック。その映像美は言うまでもなく、特に水面を捉えたショットは溝口健二の「山椒太夫」ばりのキマり具合。ただ、こうした“圧倒的映像美”みたいなところにだけスポットが当たりがちなマリック作品だが、何気ない“普通のショット”も的確に撮れる監督だと私は思う。前半パートも良かったが、クリスチャン・ベールが出て来る後半パートも素晴らしい。
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