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ラインの監視のmhのレビュー・感想・評価

ラインの監視(1943年製作の映画)
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反ファシストの活動家がアメリカにやってきたけど、ナチスドイツの手先に絡まれて、止むをえずヨーロッパに戻ることになるまでのお話。
スペインでフランコ相手に戦っていた時点で共産主義者だと思うんだけど、この映画が制作・公開された時点の国際社会は、資本主義社会と共産主義社会がタッグを組んでこの世からファシストを退場させようと目論んでいる。同じようなタイプの映画に「誰がために鐘は鳴る(1943)」がある。
「誰がために鐘は鳴る」の原作者であるヘミングウェイも、この映画の原作はダシール・ハメットも共産主義者と、当時の知識人、芸術家たちの間でどれだけ共産主義がもてはやされていたのかをも伺い知れる。
閑話休題。
ナチスドイツと戦うレジスタンスか!と受け止めて見てればいいんだけど、詳しくわかってるとそれだけじゃないというちょっと複雑な設定。
ファシストの撲滅に成功したWW2後の世界は、資本主義社会VS共産主義社会となるため、この手のタイプの映画はもう作られなくなってしまう。
そういった意味でも興味深いし面白い。
終盤の緊張感すごかったです。
自己陶酔も入ってそうなダシール・ハメットのシナリオも良かった。
フィルマの星(3.1/2023年10月)はちょっと低すぎる。
面白かった!
mh

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