真魚八重子

季節のはざまでの真魚八重子のレビュー・感想・評価

季節のはざまで(1992年製作の映画)
3.5
ダニエル・シュミットのエッセイのような映画。幼少時に過ごした、いまは廃墟となったホテルを訪れて、蘇る記憶を眺めていくという設定に特化した作品。思い切りが良いというか、現在に何かが起こるわけではなく、ひたすら過去への旅を描いていて、構成が良かった。栄華の時期を描くも、その後の端折られている、次第に客足が遠のいてホテル経営をやめた出来事があったはずで、そこに触れないがゆえに、よけい哀切が漂う。「記憶を観る」は確かに感覚としてあるものだ。
真魚八重子

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