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夜の河のmakoのレビュー・感想・評価

夜の河(1956年製作の映画)
3.9
昨年に引き続き今年も「優秀映画祭」がありました。
今年は大女優の名作が上映。
Lプログラム。2作目。
初鑑賞。
原作: 沢野久雄、監督: 吉村公三郎、撮影: 宮川一夫
主演: 山本富士子
1956年、カラー。

あらすじ
京染屋の長女として産まれた舟木きわ(山本富士子)は、伝統的な京染の世界においてロウケツ染で新境地を見出し、女ながらに次々と新商品を開拓。東京のファッションショーに出品するなどし、評判を博していた。ある日きわは、製作の参考にと訪れた奈良で大阪大学教授・竹村(上原謙)と出会い、一途な恋に落ちていく。

これも不倫ものでした。
ヒロインが、従来の日本映画にはほとんど登場しなかったタイプらしく、主体的で理知的。なので、『雪国』の駒子より本作のきわの方がよかった。
きわが現代的だったので共感もできました。

きわは芯の強い、曲がったことが嫌いな性格。下心で付け入ろうとする商売相手をうまくかわし、時にきっぱり断る。

父親からは早く相手を見つけて結婚をと言われるが恋より仕事の方が好きみたいでした。
そんな時に出会ったのが竹村。
竹村の娘がきわに写真をお願いした縁で知り合いになった。
娘がいるのだから妻子持ちだと知っての恋だけど、それより竹村が妻の状態を言わずにきわに言い寄ったのはズルいと思った。
竹村の妻の事を知り、その妻が病死。
その死を待っていたかのような自分が許せない。そしてきわは、竹村との別れを決断する。
誇り高い女性で、劇中で起こる様々な場面でもそれが伝わる。

染物屋ということで、素敵な着物がたくさん出てきました。あまり見ないようなモダンな柄もあり素敵でした。
2日続けて不倫ものでしたが、本作の方が面白かったです。

山本富士子さんが美しかった✨
本作を契機にトップスターの道を歩み始めたそうです。
上原謙さんは加山雄三さんの父。若い頃といっても当時47歳だけど、観たことがなかったので観れてよかった。
思ったほどカッコイイと感じず、色気も感じなかったな😅
相手役としては池部良の方が好み笑
きわの父役で東野英治郎。黄門様だ😁

この当時は日本映画の色彩化への過渡期にあたり、本作は吉村監督にとっても初めてのカラー作品。
1956年度「キネマ旬報」ベスト第2位。

優秀映画鑑賞推進事業のホームページはこちらからどうぞ。
これから上映される会場もあるようです。
http://www.omc.co.jp/film/


観客 1階席 2人+?、2階席 4人
劇場鑑賞 #107
2021 #152
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