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巨大なる戦場のAONIのレビュー・感想・評価

巨大なる戦場(1965年製作の映画)
3.0
米国とイスラエルの“腐れ縁”誕生秘話。 異国の地で何らかの仕事に就く者は、現地言葉の勉強をしろという教訓。

イスラエル軍の軍事顧問として招かれたユダヤ系米国軍人の目を通した、イスラエル建国秘話。典型的ハリウッド映画として、イスラエルの主張=正論という視点から描かれている。そうはいうものの、建国前夜の欧米諸国の対応やアラブ諸国の動きがきっちり描かれていて勉強になる。

外国人の指導者が異国で指揮を執る難しさも丁寧に描かれていた。「どうしても聖地を守れ」と言う政治家と「軍事的には必要ない」と説く主人公=軍人とのやり取りも生々しい。軍事顧問という主人公の設定上、戦闘シーンでは軍事作戦シュミレーション的な要素もあり面白い。

一応実話らしいが、戦地で知り合う欲求不満女センタ・バーガーの存在は眉唾モノ。大体、アンジー・ディキンソンなんていうお色気全開の美人奥さんがいるのに、彼女を置いて戦地に赴く男なんて信じられない。

寝床で主人公が妻とする会話「今は良い父親になれない。平和になれば・・・」「そんな時は来ないわ。誰にもね・・・」が現在をも予見しているようで寒々しく記憶に残った。
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