タカナリ

日本ダービー 勝負のタカナリのレビュー・感想・評価

日本ダービー 勝負(1970年製作の映画)
3.0
馬の調教師・尾形藤吉の半生が、36回に及ぶ日本ダービーの歴史と共に描かれています。

専門用語や競馬の知識などが多々出てくるため、競馬を知らない素人向けの作品ではないです。これを見ても競馬の事は詳しく分からないと思います。

主人公の山形正吉なんですが、家族・人間よりも馬を大事にするような男です。馬への暴力を許さず、人間には怒りに任せて暴力をします。
正直私は、これには全く共感出来ません。
理由はどうあれ、子供を殴ったら父親として終わりだと思います。子供に避けられて当然。いくら歳を取ろうとも、幼少期の傷は癒えません。トラウマとなり残ります。
それが分かってない。
見ていてかなり不快でした。

それに加え、レースに勝っても仲間を誉めず、「あの馬が出ていたらお前は負けていた」とか、信じられない事を言い出します。
この人は馬以外は愛せない事がこの瞬間に確信しました。なんで素直に誉められないんだか。

所々、日本ダービーの当時の映像が使われていたわけなんですが、物語の終盤はナレーションとその映像だけになり、ドキュメンタリー感が強まります。
これは映画としてはどうかと思う。
記録映像か物語か、どちらかに絞った方が良かったのではないか。

高倉健と菅原文太が出演していますが、使い方が今見ると非常に勿体ない。