アメリカのエリート男子校、聖ベネディクト高校を舞台に、優秀な教師と生徒たちの物語。
勉学だけでなく人間として成長させることが教師としての責任と考える主人公のハンダート。冒頭の授業風景から落ち着いた口調で、丁寧に授業を行うハンダートの姿から、優秀さが伺えます。そんな彼を演じるにはケビン・クラインが正に適任ですね。
その彼が一生忘れられない教え子なのがベル。上院議員の息子で、礼儀知らずの校則破りたい放題。問題児である彼をハンダートが手を焼きながらも指導する。そして勉学に励むも映画中盤のある事件で、ハンダートに大きな苦悩が降りかかる事に。
王道の学園ドラマと思いきや、なかなか凝った内容でしたし、学園時代と25年経った現在の2つのパートから成る本作の構成も面白味があります。
生徒役にはベル役のエミール・ハーシュをはじめ、ジェシー・アイゼンバーグ、ポール・ダノと今も大活躍の俳優たち。彼らの駆け出しの姿が見れるのも貴重!
色んな展開がありますが、終盤でのハンダート先生の言葉には凄く重みが感じられました。自らの信念と現実との差を突き付けられるシーンなだけに、より力強く響きましたね。
生徒たちの成長を描く学園ドラマとはまた一味違い、教育の難しさ、教師として教え子とどう接するべきか、教師の葛藤に焦点が当たった物語。
考えさせられる事も沢山ある映画でしたが、ラストでは思わずジーンとくる場面が用意されているのには安心しました。