菩薩

青春の裁きの菩薩のレビュー・感想・評価

青春の裁き(1965年製作の映画)
3.4
渡哲也のヒーロー物、その名もカラテ・ヤクザ。ヤクザの二代目として、父親にも運命にも反発を続けるが、宿命の渦からは逃れる事が出来ない。渡哲也主演第1作目らしく、どうにか渡にスポットライトを当てようとの必死感が伝わるが、なんせ山本陽子の可憐さの方が目を惹く。トラブルの解決手段がほとんど空手による肉弾戦と言うかなり平和モードのストーリーが進んで行くが、世話になったオジキが博打でデカい負債を抱えて以降、途端にヤクザ映画らしくなっていく。拉致され拷問にあい傷だらけの父親が「男の喧嘩のやり方を見とけ!」と豪語するシーンは流石に笑ってしまったが、その後の教科書通りの落とし方には素直に感動してしまった。結局最後も色々とうやむやのまま終わり、渡は堂々と空手部に復帰して来たる選手権を目指す事となる。藤波辰爾のマッチョドラゴンばりに無理やり空手をはめ込んでみた珍作かもしれない、空手vsボクシングの異種格闘技戦の走りでもある。渡がずっと「若大将」って呼ばれるもんで笑う。
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