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ヴィデオドロームのtarakoのレビュー・感想・評価

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)
3.8
この話の面白いのは、明らかな本来の敵、マックスを意図的に狂気に陥れたバリーとエンジニアの男その二人が驚くほど重視されていないところ。前作のスキャナーズもだが、普通の人なら何かと説明つけようとする箇所を適当にしておいて、本来ならどうでもいいような所の演出に徹底してこだわるが為にものすごく独特な世界観を生み出されているのにそれほど独りよがりにも感じないのが凄い。
話としては確かに人間の狂気への好奇心というか内に秘めた破壊願望をテーマにしつつ、それがデジタル媒体によって具現化される世の中で今までとは違った形で狂気を表現したかったのかな。それともそれに対する危機感めいたものもあったか。確かに現代では色んな動画から得られる情報に操られていることも多々ある。例えば広告を観たが為に本来必要なかったものを無意識的に買ってしまったり。そう言う事も考えながら、最後にお新人類に栄光あれという台詞の意図がとても気になるところ。
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