バンバンビガロ

ウォール街のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

ウォール街(1987年製作の映画)
3.4
ウォール街を舞台に成功にあこがれる若手証券マンと拝金主義に振り切れた大物投資家をえがく金融ドラマ。
リアリスト的なメンターとやる気だけはある若者という定番の組み合わせのはしりみたいな映画で、マイケル・ダグラスもいいけれど、チャーリー・シーンのベビーフェイスが特に役柄に説得力を出している気がする。
マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーはカリスマ的な人気を博し、いろんな所で名前を引き合いに出されるようなキャラクターなのだが、あらためて見返してみるとその中身のなさの方が印象に残る。
彼は決して裕福ではない家庭の出身でありながら己の力のみで成功を勝ち取った人物であると語られるのだが、彼自身が語るように何か具体的な価値を生み出してきたというわけでなく、肝心の投資の手腕に関してもインサイダー取引という非合法な手段の一本槍という感じで、およそ何か秀でた才能があるとは感じられない。
貧しい境遇から抜け出すために、悪事に手を染めて抜け出せなくなってしまった人物として観るとまた別のリアリティがあるが、そうすると彼を倒すために最後に主人公が力を借りる人物が莫大な財産を受け継いだであろう生まれながらの富豪であるというのは皮肉の色を強く感じる。
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