ふぇいるくん

道頓堀川のふぇいるくんのレビュー・感想・評価

道頓堀川(1982年製作の映画)
2.5
当時の愛人、松阪慶子の濡れ場を撮りたくて仕方のない深作監督の欲望と、彼女のヌードが観たいだけのおじさま達の欲望が見事にシンクロ、気が抜けて焦点の定まらないアウトロー物語は演者のテンションも見事空回り。

「あぁ、やっぱり深作って80年代以降はだめねー」とがっかり・・・・と思いきや!!!!!
物語も終盤近く、古館ゆきさん扮する踊り子さんが、道頓堀川が一望できる喫茶店の大窓をバックに唐突に始めるストリップショーのテンションの高さが尋常ではない。
「仁義なき戦い」の集団抗争シーンを凌駕するようなテンション爆上げの裸女の舞、これみよがしにカウンターに置いてあった大きな花瓶が局部隠しのための伏線とは、松本清張も驚きのサスペンス。
「あたし狂っちゃうー」と絶叫しながら踊りまくる古館ゆきさんの嬌態に、観客の気こそ狂うのでは?と心配になります。

深作さんの遺作がコレではなく「バトロワ」で本当によかった・・・と胸をなでおろすこと必至の傑作です。