Karen

フラガールのKarenのネタバレレビュー・内容・結末

フラガール(2006年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ハワイアンズも、フラダンスも、役者も全く悪くないし拍手を送りたいんだけど、映画としての作りはマジで最悪だと思った。これは物書きのために反面教師にするためにメモする。

まず詰め込みたいものが多すぎる割にはそれぞれの話が弱くて、泣かせるための演出すら弱かった。全く感情移入ができなかった。人が死んだら悲しいのは当たり前じゃないですか。「はーいみんなここで泣いてくださいー」ってぐらいわかりやすいやっすい演出。しずちゃんのお父さんが死ぬシーン、お父さんとしずちゃんのストーリーをもう少し描いたりしないといけないんじゃないですか?てか、死なないで生きてた方が映画的に良いじゃないですか。生きててよかったね!で涙をさらう方がいいじゃないですか?悲しい表情より安心して涙を流すしずちゃんが見たかったし、こんなので泣いて、泣いた=良い映画だと思っている邦画界の感性があまりにも安っぽくてとても嫌いです。感動の安売りっていう名にふさわしい映画だと思いましたね。

そして虐待シーンが胸糞悪い。あれは「可哀想」を演出しているんだろうけど、見ているこっちがあそこまで嫌になるシーンなんて必要ないんじゃないですか。楽しむために映画を観にに来てるのに、嫌な気持ちなってどうするんですか。ぐちゃぐちゃにされた教え子を見て先生が「許さねえアイツ」って言って殴りに行ってるのに、周りに止められて終わりみたいなシーンも見ていてとても不快だった。殴るならとことん殴って土下座させるぐらいまでしてもらわないとあのシーンの胸糞さは消すことができないですよ。許しちゃあかんだろ。スカッとするようにして欲しいんだこっちは。引っ越しのシーンでトラックに乗ってるDV親父を見て「は?」って思った。怒りを呼ぶんだったら消すまでが仕事だよ!

そして大好きな俳優のトヨエツの無駄遣い。この役はトヨエツじゃなくたっていいんじゃないの。トヨエツの魅力をもう少し見せないと本当に勿体ない。これじゃあただの脇役と同じじゃないですか。最後、借金取りと戦ってどうなったのか描かないし、炭鉱に向かうシーンも意味がわからない。なんならそいつらぶっ○してもよかったと思っています見ている側は。

そして先生を呼び止める電車のシーンもマジでグダグダしてんじゃねえよって思った。ああいうのは短い時間で思い通りになるようにしてほしいのが観客。テンポ良くストーリーを消費したいのが観客。そんな観客をイライラさせるようなシーンだった。

なぜかこの映画は高評価で固められているため、それに釣られて見たが大失敗だった。
Karen

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