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フラガールのcamusonのレビュー・感想・評価

フラガール(2006年製作の映画)
4.0
笑いあり涙ありの感動作なのですが、
特に笑いのパートが、非常にわざとらしくて笑えないものであり、
序盤30分程は激しい振るい落としを掛けてきますので、
そこを何とか踏ん張る必要があるのかなと思います。

「常磐ハワイアンセンター」という素材自体は、
非常にポテンシャルが高くて、目の付け所がいいなと思いました。
国内で石炭産業からの転換に成功した、ほとんど唯一の例だと思いますが、
炭鉱という昭和のノスタルジー、
フラダンスという明るい南国情緒と奥深さ、
スポ根的な要素、村おこし的な要素などなど。

ノスタルジーというか、
現在に至るまでに日本人が積み上げてきた、
歴史の1ピースとして愛おしく思えてきて、
時の流れの重みに押されてブワッと来るんですよね。

というように非常にいいところと、
非常に惜しいところが混ざっていて、
もうちょっと洗練したものにしてもらえると、
見る方もずっと楽なのになぁと感じました。
富士純子とか岸部一徳とか凄みのある演技ができる人も、
終盤までは、過剰演出に引き摺られて、今ひとつなんですよね。
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