2004年完成
監督の不祥事やら世間の無関心やらで公開に至らず
2010年〜2011年再撮影＆再編集
3.11
その後公開という流れだそうで、作品自体は日本の原発事故の是非を問うという趣旨ではありません。チェルノブイリのあるウクライナのお隣、ベラルーシを舞台にした、ロシア人キャストと日本人監督によるもの。作品の背景が複雑です。
テンポや映像はドキュメンタリー的ですが、ストーリーは意図して絵本のように仕上げられています。言葉少なに挿入される、国の直面する辛い現実が引き立つような作りです。綿密な取材は素晴らしいももの、自主制作なので映像自体は充実したものとはいえません。後は見る側が何を考えるかといった感じ。
チェルノブイリと福島は状況が違うので単純に比較はできませんが、日本でも事故があったからこそ作品の内容以上の何かを得られるというのは皮肉です。それにしてもあまり感情的な作品でないだけに終盤のカリーナのとある台詞には冷や水を浴びせられました。おとぎ話から一気に…。不思議な後味でした。
