福福吉吉

モンスターの福福吉吉のレビュー・感想・評価

モンスター(2003年製作の映画)
3.5
アメリカ史上初の女性連続殺人犯となったアイリーン・ウォーノスの実話を映画化。幼い頃から虐待されて育ち、娼婦をして暮らすアイリーンは、セルビーという少女と出会い、愛し合うようになった。アイリーンはセルビーとの生活費を稼ぐために殺人を重ねていく。

とても重い話だった。正直に言ってアイリーンの姿や態度には嫌悪感があったのだが、観ているうちに、セルビーがアイリーンの全てなんだな、という感じが伝わってきた。堅気の職業に就こうと必死になるも、どの職場からも相手にされないアイリーンが可哀そうに思えてきた。堅気の職業に就けずやむを得ず売春を行った際にアイリーンが男を殺害してしまったのは、セルビーのためだけに生きたいのに女を金で買う男に頼らないといけないことに対する男への憎しみや嫌悪が原因なんじゃないのかな、と思いました。アイリーンの表情が「売春なんかしたくたい」と言っているように見えました。皮肉にもこの2度目が連続殺人への引き金になってしまったのは悲しい。
殺人を肯定する気は毛頭ありませんが、アイリーンの人生は悲しすぎると思いました。
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