過去鑑賞
とても好きな作品。
シャーリーズ・セロンの見事な演技に注目。
幼い頃から父親や祖父母からの虐待を受け育ち、15歳の頃から娼婦をしているアイリーン・ウォーノスは、ヒッチハイクをしながら男に体を売るその日暮らしの日々に疲れ果て、自殺を考えるようになっていた。
環境に恵まれず、信じれるものは「愛」だけ。
「愛」に枯渇した1人の女性の暴走を描く本作は、実在の連続殺人犯の実話だ。
犯罪のきっかけとなった恋人との愛を描く中で、その生立ちや生活環境に迫り、家族、愛、教育、社会、犯罪、死刑制度などについて様々なことを考えさせられる。
性的虐待を受け健全な自立心を育むことが困難だった子供時代。
「自由」や「自己責任」が強調される肥大化した資本主義社会の中でも特に卑下される最底辺層に生きてきたアイリーン。
「他に選択肢はなかった」
アイリーンは娼婦として生きざるをえなかった。
孤独に生きた彼女が見つけた幸せは、恋愛という名の共依存の関係。
本作は現実問題として社会に存在する彼女のような層の人生の悲劇を直視している。
どんな人間にもバックグラウンドが存在し、ここに至るまでの経緯がある。
僕達と同じ「人間」なのだと突きつけてくる。