あちぴろ

モンスターのあちぴろのレビュー・感想・評価

モンスター(2003年製作の映画)
3.7
質量が重い。

これ誰?と思えるほど別人のシャーリーズ姉さん。
10kgの増量に加え、メイクで全くの別人と化したシャーリーズ・セロン(アイリーン)。ボーイッシュな感じの女の子も最初は誰か全くわからなくて調べるとクリスティーナ・リッチ!(セルビー)
あまりにもシャーリーズ姉さんのインパクトが強すぎて目立たなかったかもだけど、このセルビー役を演じたクリスティーナ・リッチもかなり上手い。

実際に起こった女性連続殺人犯のアイリーン・ウォーノスの生涯を描いた本作。
愛した同性のセラビーとの暮らしのために普通の仕事を探すも過去の経験や、社会の偏見から定職につけず、娼婦としてお金を稼ごうとするも、レイプにあい殺してしまう。
それから簡単に娼婦として乗った車の持ち主を殺しては車と金を奪いどんどんと殺人を繰り返していくが、、、

実話も本当にこの映画のような葛藤があったのかは分からないが、どうしようもない男以外への殺人への葛藤、善人と思える客には殺さなかったりが本当なら「モンスター」というよりも悲しい。

最後までみて、このモンスターというタイトルを誰かにあてるとするなら、アイリーンではなくセラビーだろ。
何もしないくせにじっと待つことを拒み、要求だけはしっかりする。
アイリーンの苦しみを目の当たりにしながら、自分の欲求(お腹が空いただの、じっと家にはいたくないだの…)を満たしたいがためにアイリーンに働かせようとする。クソかよと感じる。
クリスティーナ・リッチのぼてっとした太り具合は殺人を重ねてお金を稼いだと思える背景となっていたのだろうか。

アイリーンから一緒に暮らしたいと言ったとはいえ、アイリーンよりもセラビーを「モンスター」として見てしまった。

シャーリーズ姉さんの迫真の演技にはただただ圧倒される。
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