昼寝したい

海角七号/君想う、国境の南の昼寝したいのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

本来大っ好きな題材(敗戦国日本が台湾から総引き揚げする際の描写がある映画)で期待して見たら思ってたのとちょっと違った。

まず、日本人友子が出だしから1時間半ぐらいもうず〜〜っとイライラカリカリムカムカしてるのが不快すぎ。
常に何かに腹立てて周囲にも言葉や態度で怒りをぶつけてて、鞄を振り回して相手に当てたり、「触んないでよ!」と殴ったり、酔っ払ってバンドメンバーの実家のガラスを怒りに任せて割ったり(翌朝、記憶にないため謝罪もせず)、悪い意味でめちゃくちゃでヤバいやつで1時間半もすっごく不快でした。
その描写削って台湾人友子さんと日本人教師の台湾での様子を描いてほしかった。。

そして、台湾人友子さんへの日本人教師の手紙はもっとコンパクトにして内容もシンプルにした方がよかったと思う。
あの時代の日本男児があんな風にダラダラと未練タラタラな恋文書くのはだいぶと違和感。
もっと不器用な言葉で綴る短めの恋文の方があの時代の男性っぽくてグッときそうだけど、現代を生きる台湾人にはこの映画のような感じの方がグッとくるということなのか。

日本人教師役はあの役者さんでなくてもいいのに左利きの役者さん起用するのも違和感。
1980年代生まれの自分でさえ左利きはばあちゃんがめちゃくちゃ嫌がって無理やり右利きに矯正させられたよ。

日本人友子と阿嘉がなぜ惹かれ合ったのかさっぱり分からん。
なんでいきなりあんな展開になって、「お前が日本に帰るならおれも行く!」ぐらいな強い想いにまでなったんか意味不明。

阿嘉が台湾人友子さんに手紙を届けたとき、気付かれんようにそっと置いて逃げ帰ってんじゃないよ。勝手に手紙開けたこと謝んなさいよ。
友子さんからしたら誰かが家に忍び込んで正体不明の黒い箱置いてったとか恐怖でしかないやん。

日本人友子の中国語下手(友子役の田中千絵さんはこの映画の2年前に台湾に拠点を移し、中国語を学び始めたそうなので中国語レベルはそんなもんなのかもしれないけど、役としては大学からそのまま台湾にいる設定っぽいしなぁ)
でも発音のことは阿嘉に「あいつの中国語聞き取れるか?」とか言われてたし、それでいいとしても、演技もあんま良くない。演出の仕方か、友子に不快感を感じることはあっても魅力は全く感じられなかった。

最後のコンサートで月琴のおじいさん活躍してほしいなと思ってたらちゃんと活躍しててそこからの野ばらはめちゃくちゃ良かった。
でも月琴おじいさん、若者の真似してかタンバリンを床にガンガン打ち付けてたのは悲しかった。
阿嘉も冒頭でギター壊してたけど、演出とは言え楽器は大事にしてほしい。

個人的には10話ぐらいのドラマにして台湾統治時代からじっくり見たかった。
台湾人友子さんは恋人が去ってただでさえ辛いのにその後国民党支配でかなり苦しい日々を送ったんやろなと想像できてつらい。
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