バナバナ

海角七号/君想う、国境の南のバナバナのレビュー・感想・評価

2.8
なかなかロマンチックなお話でしたね。

舞台は台湾の最南端の“恒春”という町。
町の村おこしを兼ねたイベントで、台湾で人気のある日本人歌手を起用するが、地元のバンドも歌わせようという企画が持ち上がる。
年齢も仕事もバラバラの人たちで寄せ集めの、にわかバンドが作られるが、果たしてイベントの日までにバンドは完成できるのか…。

また、特に主人公に当たるアガは郵便配達員で、彼の恋模様と、日本から送られてきた70年前の手紙がリンクして…という構成になっていました。

私はアガが友子の助けを借りて、この日本語で書かれた手紙を読んだ事によって、新しい詩が書けるのかと思っていたけど、特に友子が教えてあげて二人で手紙を読んでいるシーンが無かったので、アガが手紙の中身を分かっていたのかが不明なところがもったいないと思いました。

あと、現代の友子のキャラクターが、気の強い女の子を表現したかったのだろうけど、やたらと舌打ちしたり、行動が完全に“大陸”の気の強い女性になっていたので、
これを日本女性だと思われたら、困るなと思ってしまいました。

沖縄出身の日本人歌手で、台湾語でも歌を歌われている中孝介さんという方が出演されていましたが、
私はてっきり中康次さんが亡くなる前に出演されていたのかと期待して観てたんだけど、全く名前も違う方だったのに、勝手に勘違いしておりましたw。

ラストで歌われた『野ばら』は、日本の統治時代に小学校でよく歌われていたそうで、元歌がドイツの曲だったので、国民党に統治された後も、他の歌は禁止になっても、この歌だけはなんとか消されずに現代の台湾まで残ったそうです。
みなで大合唱してくれて、日本人としては嬉しかったです。

全体的に、周囲を海に囲まれた最南端の田舎の町で巻き起こる群像劇で、脇の人たちもキャラが立っていたので楽しく観ることができました。
ロケになったホテル、本当は高級ホテルでお高いんでしょうね。
こんな美しい景色を真近に観られるのなら、恒春という町に一度行ってみたくなりました。
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