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嘆きの天使のTnTのレビュー・感想・評価

嘆きの天使(1930年製作の映画)
3.5
古い映画なんで、序盤退屈だった。というか前半1時間は笑うに笑えないコメディだった。ところが後半30分で人生がここまで堕ちるかという地獄みたいな展開がまっていた。
この映画のファムファタールであるマレーネ・ディートリヒの美しさと頽廃的な雰囲気が見所。それに振り回される主人公の落ちぶれる姿も必見。幸せそうな姿よりも落ちぶれた姿が映える俳優だった。
演出も単調に見えたが後半にしっかり伏線として活きていた。特にディートリヒの歌が前半と後半で同じ歌なのに意味合いが全く変わってしまうのは驚き。またピエロが意味ありげに出てくるのだが、これもまたなるほどという感じ。「ジョーカー」の逆バージョンの映画ともいえるだろう。
1時間焦らすというこの映画の時間の使い方、今じゃできないだろうなと思った。しかし、流石に集中力が切れてしまう。映画館という拘束された空間があったからこそ生まれた映画。
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