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嘆きの天使のkazu1961のレビュー・感想・評価

嘆きの天使(1930年製作の映画)
3.6
▪️JP Title :「嘆きの天使(1930)」
Original :「The Blue Angel Der Blaue Engel」
▪️First Release Year : 1930
▪️JP Release Date : 2020/06/26
▪️Production Country : ドイツ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2020-583 再鑑賞
🕰Running Time : 103分
▪️Director : ジョゼフ・フォン・スタンバーグ
▪️Writer : ロベルト・リーブマン
▪️MusicD : フリードリヒ・ホレンダー
▪️Cast. : エミール・ヤニングス、マレーネ・ディートリヒ
▪️My Review
最後まで救われない作品ですね。。。濃厚なデカダンスの世界観に包まれたほろ苦い人間像を突きつめたスタインバーグ。103分間、スタンバーグ監督による実に無駄のない演出が冴え渡っています。
生真面目な教授を破滅に導く踊り子を演じたマレーネ・ディートリッヒは、ハリウッド進出のきっかけとなった本作で、完璧なまでの魔性の女を体現して世界中を魅了しました(ファム・ファタルと言われてますが、本作ではのディートリッヒはそうではないですね。私にはどちらかというと耐える女に見えましたら。。。)。アンニュイで退廃的な雰囲気と美貌に、ディートリッヒの代名詞となる100万ドルと称された脚線美、セクシーな歌声は、観るものを魅力します。
ハンブルクの高校教師ラート(エミール・ヤニングス)は、ふとしたことからキャバレーの踊り子ローラ(マレーネ・ディートリッヒ)と知り合い、やがてその美貌の虜となり、ついに教職を捨てて彼女と結婚するのですが。。。
名匠ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督が戦前ドイツに招かれて撮った名作で、原作はハインリッヒ・マンの『ウィンラート教授』。堅物教師が女の魔性ゆえに理性を失ってゆくさまが実に冷徹につづられています。それにはやはり名女優ディートリッヒの魅力に負うところが大きいですね。彼女の歌う「Fall in LoveAgain」のアンニュイなすばらしさ、この後スタンバーグ監督はディートリッヒを連れてハリウッドへ戻り、数々のコンビ作を世に送り出すことになります。
やはり一番の見どころは、そして主演のヤニングスの不滅の演技、怪演は鳥肌ものです。

また、1958年にアメリカでエドワード・ドミトリク監督で同名の映画がリメイクされ、ヒロインのローラ・ローラをスウェーデン出身の女優メイ・ブリットが演じています。

▪️Overview
「サンダーボルト」「女の一生」のジョゼフ・フォン・スタンバーグがウーファ社に招かれて渡独監督した映画である。原作はハインリヒ・マンの筆になるもので、それに基づきカール・ツックマイヤー及びカール・フォルモラーが潤色し、「東洋の秘密」「死の花嫁」のロベルト・リープマンが脚色し、「悲歌」「アスファルト」のギュンター・リッタウと「悲歌」「死の銀嶺」のハンス・シュネーベルガーが撮影を担当した。主演者は「裏切者」「罪の街」のエミール・ヤニングスで、助演者として新しく抜擢されたマルレーネ・ディートリッヒ、「タルチュフ」のローザ・ヴァレッティ、クルト・ゲロン、ハンス・アルバース等が出演するウーファ特作映画。「アスファルト」「悲歌」と同じくエリッヒ・ポマーが製作指揮に当っている。(参考:映画. com)
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