ピンフまんがん

西部無法伝のピンフまんがんのレビュー・感想・評価

西部無法伝(1971年製作の映画)
4.2
黒人奴隷物を逆手にとったようなコメディで、今にして思えば貴重な内容。こんな作品が完全に忘れ去られようとしているかのようなマイナーな部類の作品に入っているところが良くも悪くも西部劇のおくゆかさだと感じる。
これ、原題は「スキンゲーム」って、なかなかにしてリアル感がある(;゚Д゚)。
全体的に、この大雑把で粗っぽさがいい感じ。人間同士の信頼関係って日本人と違ってあちらは人種も考え方も部族も違う連中とどのように付き合っていくかという事を身をもって考えなければいけないし、それを自分で本能的に察知していかないと命の危険がある社会で彼らの生きる姿をしっかりと描かれている。そして人種の違いやアメリカとメキシコの、人間の心の奥に宿っている境界線など、いろいろ考えさせられることも多い。
奴隷制のジョークってたぶん日本もアメリカでも、こういうのは世に出しにくいのかもしれないが、映画ってのはそれゆえに強烈なエッセンスを撒いて名作になったりするから面白いですね。