イチロヲ

ダーティ・メリー/クレイジー・ラリーのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
強盗に手を染めたレーサー志望の青年が、警察の包囲網を掻い潜りながら、愛車のシボレーを乗り回していく。犯罪者と警察官のイタチごっこを描いている、アメリカン・ニューシネマ。

カリフォルニア南部の荒涼とした土地を舞台にして、若い犯罪者(ピーター・フォンダ)と初老の追跡者(ケネス・トビー)が、長距離の追い掛けっこを繰り広げていく。ふたりとも「自分の可能性に挑戦している人間」であるところが醍醐味となる。

3人組の主人公がレースチームの暗喩となっており、パトカー側もまた独自路線の追跡を展開させる。ヒロイン枠では、褐色の健康美を放つスーザン・ジョージが、明朗会計な女性像を披露してくれる。

アメリカン・ニューシネマの典型なので、先の展開が読めてしまうが、ユーモアのある群像模様が盛り込まれているため、様式美(?)を満喫することができる。同時に、昨今のオープンワールド・ゲームの元ネタを推量することも可能。
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