Hotさんぴん茶

あの子を探してのHotさんぴん茶のネタバレレビュー・内容・結末

あの子を探して(1999年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

■2014/7/21記載
音楽が好きだ。子どもたちの演技が自然で良い。
中国の現実を垣間見た。今の中国は、どうなっているのだろう。

■2020/10/21追記
この映画の良いところは、主人公である先生が突出して優しい良い子ってわけじゃないところだ。
ホエクーを一生懸命探してるのも、ホエクーの行く末を純粋に心配して心が優しいから、と言うわけじゃなさそう。おそらく最も先に来るのは自分が先生として働いていて、1人生徒が消えたらクビにされるからなんだよね。生活がかかっていてかなり切実なんだ。子どもなのに働いてるんだから。ぶっちゃけその条件がなかったら、ここまで生徒を必死で探さないのでは?だって子どもが学校辞めて働くのはよくある話みたいだし、この地域じゃ。

このように子どもが必死に生きている感じ、それを綺麗事を抜きに描いているから、珍しい作品と思った。
よくありそうな映画のパターンだと、子どもの純粋な優しさをクローズアップして泣かせる思うんだけど、この作品は違う。優しさとかそんなことはかなぐり捨てて、今日を生きのびるのに必死であることをありのままに見せる。それが泣けてくるんだ。

でも最後はそれと相まってホエクーのことを案じる気持ちも芽生えたのかもしれない。自分自身も心細かったり、複雑な心境に変化していたように思う。

ホエクーはこの先生がテレビで泣きながら、一生懸命に訴えかけるのに涙していた。ホエクーも先生と同じような境遇で、もらい泣きしたんだなと思った。ホエクー自身も貧しくて、幼くして働きに出てる身だから。

最後、寄付されたチョークでみんなで楽しく描くシーンは本当に泣ける。先生が幼い子を抱っこして、描かせてあげたり。このシーンは先生がとても優しい表情。それまでは怒ったり泣いたりしてたのに。なんだろう。言葉にならない。

素晴らしい映画だった。

ちなみにこの作品の俳優、一般人を起用していたみたい。通りで自然な雰囲気だった。今は彼らはどうしているのかなぁ。俳優たちに幸あれ。