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食堂かたつむりのyawaraのレビュー・感想・評価

食堂かたつむり(2010年製作の映画)
2.0
この作品の不快さは描こうとしている物と実際に見えている物のギャップに起因しているのではないだろうか。
「心温まる牧歌的な物語」として描くには、あまりに人間の持つ不浄さがはっきりと描かれすぎている。
コラージュを使った絵本のような演出やそのファジーな空気とあまりにかけ離れているのだ。

清濁併せのむ世界観として描くなら、死から目を背ける作りが邪魔をしている。豚を食べる事を母親との邂逅と重ねるのであれば、せめてその屠殺と解体は主人公がやるべき。やはり独自の世界観を作るなら、テーマとプロットをしっかりと練られていないのは考えものである。

ハートの器に盛られた下痢のような食べ物はなかなかインパクトが強く、しばらく忘れられそうにない。料理への冒涜。
それにしても、亡くなった後放置されたであろう祖母の遺体はその後どうなっただろうか。
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