映画は遠い過去のはなし

袋小路の映画は遠い過去のはなしのレビュー・感想・評価

袋小路(1965年製作の映画)
3.3
◎何もない一本道、1台の車が近づいて来る。車は自走できずに右手を負傷した男が車を押している。運転席には重傷を負った男が座っている。
野原を登る、丘の上に古城が見える。
浜辺では若い男女が戯れている。
男は古城に侵入する。
ここまでの一連の流れ、観る者に提供する視覚的情報が素晴らしい。

◎古城に集まる俗物主義者達の不条理な人格破綻劇。
裕福な夫婦の中に異世界の人が交じるというシチュエーションは「水の中のナイフ」に似ているが、完全に隔絶された世界ではないので登場人物は多い。

◎俗物主義に対する嘲笑、限られたシチュエーション、人間の精神の本質を抉ったりするあたりは如何にもポランスキーらしいが、不条理で緊張感のない展開が続く中でやや冗長さを感じてしまった。