明石です

袋小路の明石ですのレビュー・感想・評価

袋小路(1965年製作の映画)
4.3
風変わりな夫婦の暮らす古城に強盗が押し入り、我が物顔で城へ居座るも、同じ時間を過ごすうち、お互いに感情を寄せ合っていくお話。それぞれの事情で袋小路に追い込まれた変テコな4人組を取り巻く日常にスポットが当てられた、不思議な魅力のある映画でした。

何よりもまず、ヒロインを演じた、カトリーヌ・ドヌーヴのお姉さんフランソワーズ・ドルレアックの凜とした美しさが目を引く。お転婆娘が大人になってちょっとだけ落ち着いたみたいな雰囲気の自然体美女に目がない私ですが、これは惚れてまう。ベットから出て気怠げに服を着る仕草とか、すらりと長い指で煙草に火をつける所作とか、美しすぎる、、しかし前作でカトリーヌ・ドヌーヴを主演に射止め、今作では彼女のお姉さん、次作ではシャロン・テートとは、ポランスキーの若い頃は凄かったのね。いや若い頃から凄かったのか。

作風としてはベルイマン映画みたいな静謐な世界観のもとで限られた登場人物の精神世界を掘り下げていくという、万人受けはしないけど刺さる人には深く刺さるやつ。見終わった後、U-NEXTで自動選定された「次に観る映画」の欄にベルイマンの作品がズラリと並んでて、みんな考えることは同じなんだなと思った。
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