ベルベー

袋小路のベルベーのレビュー・感想・評価

袋小路(1965年製作の映画)
3.5
サスペンスと見せかけてその実態はコメディな気がする。ポランスキー的に言えば後年の「おとなのけんか」とかに通じる、攻撃してされての悲劇を喜劇として見せてみた秀作。

仕事終わりのギャングに立て篭もられて狼狽する夫婦。ドナルド・プレザンス演じる中年夫の頼りなさも面白いが、それ以上にフランソワーズ・ドルレアック演じる若妻が凄い。超悪女である。ギャングに怯える夫を糾弾し、そのギャングですら顎で使おうとし、若い男には色目を使ってみる。ラストの残酷さときたら…が、夫の精神薄弱さも中々なものなので、絵面ほど胸糞悪くはなく、「まあこうなるよね」という諦観が占めるのであった。凶暴なギャングが気の毒に見えてくるという不思議。南無。

ところでジャクリーン・ビセット、ちょっとしか出てないんだけどどういう立ち位置だったんだあのキャラ?いてもいなくても変わらなさすぎてちょっと面白かった笑。
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